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インドでサティシュとヴァンダナから学ぶ「ガンジーと3つの平和」①企画の概要と1日目のイントロ
サティシュ・クマールとヴァンダナ・シヴァが講師を務めるコース「ガンジーと3つの平和」に参加するため、初めてインドに行ってきた。
このコースには世界中から参加者が約40人集まり、半数を占めたのが私たちの日本人グループ。
東京アーバンパーマカルチャー(以下TUP)のソーヤー海くんとこの日本人向け特別合宿を企画し、私の主要な役割はオーガナイザー(事務局)と海くんのサポート。通訳2人を含め、計21人で参加してきた。
実は今回のメイン講師2人のうち、ヴァンダナは体調不良のため残念ながら欠席。もう1人のサティシュがほとんどのレクチャーをしてくれた😌
でも彼以外にもナブダーニャ農園のスタッフによるツアーや、デリー大学のアプールヴァナンダ教授(Prof. Apoorvanand Jha)のレクチャーもあり、とても充実したコースだった。
私自身もそうだったけど、今回インドが初の参加者も多く、きっとこの記事を読んでいる方々の多くもまだ行ったことがない可能性があるので……
これから数回に渡り、時系列で私の体験やサティシュの言葉などを紹介しながら、なるべく「インドってどんなところ?」という疑問や不安も解消できればなと思います!
「ガンジーと3つの平和」について
コースの概要
講師の1人ヴァンダナ・シヴァが運営するナブダーニャ農園(Navdanya Biodiversity Farm)が企画した「ガンジーと3つの平和(Gandhi and the Triple Peace)」コース。
20代の学生(いや、10代もいたかも)から60代くらいの方々まで、さまざまな国籍や背景を持った参加者が世界中から集結!
そして私たちTUPは、このコースに参加する日本人グループをコーディネート。レクチャーに同時通訳を、さらにはその前後にソーヤー海による解説や予習・補習などをつけた特別合宿を開催しました。
✳︎ヴァンダナ・シヴァ
哲学者、環境活動家、科学哲学博士。有機農業や種子の保存を提唱し、森林や水、遺伝子組み換え技術などに関する環境問題、社会問題の研究と実践活動に携わる。有機農法の研究と実践、普及のための拠点として、NPO「ナヴダーニャ(9つの種)」を設立。
✳︎サティシュ・クマール
イギリスの思想家、平和活動家。E.F.シューマッハー(イギリスの経済学者、『スモール・イズ・ビューティフル』の著者)とガンジーの思想を引き継ぎ、イギリス南西部にスモール・スクールとシューマッハー・カレッジを創設。
✳︎ソーヤー海
共生革命家。「東京アーバンパーマカルチャー」創始者。現在は千葉県いすみ市に住みながら、国内外でパーマカルチャー、 非暴力コミュニケーション、 マインドフルネスのワークショップや、 ラジオ、テレビ出演などさまざまな活動を行っている。
(記事が長くなるので、講師のサティシュ、ヴァンダナ、そしてソーヤー海のプロフィールやこのコースのさらなる説明はTUPの告知記事をご覧ください ↓)
11月インドでサティシュとヴァンダナから平和とエコロジーについて学ぶ特別合宿(通訳と解説付き)「Triple Peace 3つの平和」
大まかなスケジュール
2024年のコースはザッとこんな内容でした:
- 1/17(日):各自でナブダーニャ農園へ
- 11/18(月):Satish Kumar「Introduction Session イントロダクション」
- 11/19(火):Satish Kumar「Peace Within 内なる平和」
- 11/20(水):Satish Kumar「Peace in Society 社会での平和」
- 11/21(木):Dehradunの街へ遠足、Satish Kumar「Peace with Nature and the Earth 自然と地球との平和」、フリータイム
- 11/22(金):Prof.Aproovanand Jha「Gandhi and Peace ガンジーと平和」
- 11/23(土):クロージングセッション
そして1日の流れは上のように食堂の前に掲示され、レクチャー以外にもモーニングサークルやシュラムダーンと呼ばれる奉仕活動、映画上映なども。
11/16(土) デリーへ
混沌の大都市ニューデリーで1泊
私たち日本人グループの多くはニューデリーにまず到着し、1泊してから翌朝ナブダーニャに移動した。(海くんと私はもう少し前にインド入りし、ウダイプールに行ってきました!その様子はまた追って)
上の写真は比較的秩序がある風景だけど、空港からホテルに向かう途中はインドらしい混沌や渋滞に見舞われ、大気汚染もとんでもない。
私たちが滞在していた頃はちょうど「ディワリ(Diwali)」と呼ばれる大きなお祭りの直後。そこでの爆竹や、近隣の焼き畑の影響でいつも以上に空気がひどかったらしい……
実際、安全とみなされる50倍の大気汚染だったため、学校が閉鎖になったり工事の一部が中断するなどの事態に!
ちょうどホテルの目の前の道路で夜お祭りをしていて、ご覧の通りごちゃごちゃ笑(しかも私たちが最初に泊まった13日も同じ場所で同じようなことをやっていた!)
11/17(日) ナブダーニャ農園へ
ホテルの近くで朝食
朝起きたときもホテルの目の前はゴミだらけで汚かった。(多分それが日常)
そして朝食を食べるため、15分ほど歩いて別のホテルに併設されたカフェへ。宿泊客が食べていたビュッフェを私たちもお願いし、味はなかなか美味しかった。
バスでニューデリーからナブダーニャへ
さて、ここからは日本人参加者の一部と一緒にバスに乗ってナブダーニャに向かった。(2023年の参加者が利用した日本語ペラペラのインド人が運営するツアー会社に、2024年もお世話になった)
集合から私たち内で遅れが発生し笑、出発は10:30予定が11:00頃に。
トイレ休憩を挟んでからの、別の場所でランチ休憩。ここの食事がとっても美味しかった!!
その後はクネクネした山道でひどい渋滞があり、やはり予想通りどんどん到着が遅れる。
結局、当初の目標17:00着からだいぶ遅れ、19:30前にようやくナブダーニャへ!ふぅ、みんなヘトヘト。おつかれさま!
ナブダーニャ農園で過ごす夜1日目
部屋にチェックインするのは後回しにし、ちょうど始まっていたディナータイムに私たちも突入。
本来なら到着後、日本人グループでまずお互いを知る交流の時間を予定していたけど…… だいぶ押してしまったため、夕飯後に少しだけ集まってこの日は終了。
移動だけでもだいぶクタクタだったし、デリーのカオスやインドの環境自体に疲れている人も多かったのでは?
11/18(月) イントロダクション
午前中は日本人グループのチェックイン
朝起きてようやく自分がどんな場所にやってきたのかを理解できた!デリーや途中の街の様子とは打って変わって、なんてピースフル🌿
本編のセッションは午後遅めのスタートだったため、午前中はゆっくり朝食を食べ、ナブダーニャへの支払い手続きを済ませ、ようやく日本人グループで集まる時間が作れた。
スタッフ含め21人の日本人グループだけでも、それぞれが多種多様なバックグラウンドを持ち、参加理由もさまざま。
ずっとサティシュやヴァンダナのファンだった、卒論のテーマにしていた、といった方々もいれば、友人に誘われて、なんとなくピンと来て申し込んだ方々も。(直前の駆け込み参加も!)
さぁ、ここからどんな学びと経験が得られるだろうか?ワクワクとドキドキが入り混じっていた時間。
(そういえば見出しに書いた「チェックイン」とは、私たちが毎回集まりでやっているもの。自分の今の心と体の状態を感じ、それを周りの人たちと分かち合います)
午後はサティシュのイントロセッション
昼ごはんと休憩を挟み、ようやくみんなが待ちに待ったサティシュのレクチャーがスタート!
この日はイントロダクションということで、まずはガンジーの3つのキーワードについて。ここからは私のメモをご紹介(英文はだいたいサティシュが話したままの言葉のはず):
①スワラージ(Swaraj)
スワラージとは、自分を管理する(マネジメント)の意味。
Where do we start? We start from ourselves. Be the change you want to see in the world.
どこから始めるのか?まずは自分から。世界で見たい変化に自分がなろう。
「have」か「be」か。所有する・持つ/ある、のちがい。
We are autonomous beings and related with others. It’s not isolation or disconnection. Balance (dance) between autonomy and relationship with others.
私たちは自立した生き物で、他者と関連している。孤立や分離しているのではない。自立と他者との関係性のバランス(ダンス)が大切だ。
②スワデーシ(Swadeshi)
デーシとは自分が住んでいる場所のことで、つまりローカルエコノミー(地域経済)のこと。
Basic things should come from local. It shouldn’t be dependent on import.
Each community, village should be able to manage themselves.
Gandhi wanted everyone to be a craftsman, an artist.
ベーシックなもの(生活必需品)は地域から得られ、輸入に頼るべきではない。
全てのコミュニティや村は、自分たちでやりくりできるべき。
ガンジーは全ての人に職人やアーティストであってほしいと願った。
③サルボダヤ(Sarbodaya)
Bio-centric. Nature-centic. Honor and recognize the rights of nature. Not anthropocentric!
生命中心。自然中心。自然の権利を讃え、認識しよう。人間主義ではない!
Horizontal economic growth (not vertical like Bill Gates!). We don’t need economic growth, we need economic distribution.
水平の経済成長であるべきで、ビル・ゲーツのように縦であるべきではない。経済成長ではなく、経済分布が必要。
Humans are nature, we are not above nature.
We are soil. We are air. We are water. We are fire.
人間は自然であり、自然の上に位置しない。
私たち人間は、土・空気・水・火の4元素からできている!
Circular economy is sarbodaya. Not linear!
サーキュラーエコノミーはサルボダヤである。(縦型のエコノミーではなく)
Everything should go back to nature. We reuse everything. Nothing should be wasted.
全てが自然に戻るべき。私たちは全てを再利用し、何も無駄にされるべきでない。
予告:次は「Peace Within 内側の平和」
上記のサティシュによるレクチャーだけでなく、参加者約40人それぞれの自己紹介の時間もあった。
私はここまでの移動や日本人グループの細かいケア等にすでに疲弊していた上に、世界中のパワフルなアクティビストたちの話を聞き、だいぶ消耗……
2時間に及ぶレクチャーが終わったあとは農園内を散策し、自然の中で少し1人の時間を取ったり、なるべく休息を取るようにしていた。(私は1日の最後に海くんをマッサージするという役目もあったので!)
さて、次回はいよいよ3つの平和の一つ目、「Peace Within 内側の平和」のレクチャーが始まります!