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TUPギフトエコノミーサークル参加レポ ③探求の種「物語」
2020年7月から8月、6週間にわたるオンラインでの「ギフトエコノミーサークル」にアシスタント兼参加者として関わっていました。
サークルの概要と初回のテーマ「ギフトとは」について書いた記事はこちら:
3回目のテーマは「物語」です!1週間かけて取り組んでみた探求の種(seeds)と私が考えたことのメモなどをシェアします。
このテーマは響くものが本当に多くて、自分自身の過去を振り返るきっかけをたくさんくれ、こうして記事にしながらまた気づきを得ています 🙂
探求の種(seeds)③物語
【HEART】心:深く考える
①あなたの人生を大きく変えた物語はなんだっただろう?
人生を大きく変えた「出来事」ならともかく、「物語」と言うとなんだろうなぁ……と固まってしまった記憶があります(笑)
「集団生活に適応できないと、この先社会でやっていけないよ」というようなことを中学時代の担任の先生に職員室の前で言われたのをふと思い出した。
私は小学校時代をアメリカで過ごし、中1の途中から編入した帰国子女だったから、担任の先生は心配してくれていたのかもしれない。
と、今書きながら泣きそうになっている(笑)先生は先生なりのストーリーを持っていて、それを元に生徒へのアドバイスをしてくれていたのだろうな。
当時はカルチャーショックの連続で、何もかもが辛く、でも先生がおっしゃったようにどうにかしてこの環境に適応しないと私はやっていけない!
そんな気持ちで、だんだん自分の気持ちを外に出せなくなり、どんどん心が歪んでいったのでした……
↓↓↓
サークルメンバーとのzoom通話中に「協調性」という言葉が出てきて、あぁそれだ!と気づいた(zoom通話の振り返りで後述)。
②あなた自身が、話されていることの内容にあまり共感できなかったり、自分に響かない内容だった時、あなたはどのように話を聞いているだろう?
この人はどういう背景があってこんな風に考えるのだろう?と想像してみる。
③私たちは、どんな物語を社会から受け継いでいるだろう?
「社会」というのがざっくりしていてむずかしい…… 実は毎回【HEART】の問いが私には答えづらく、苦戦していたんだよなぁ。
みんなとこのテーマについて話したあとだと、「あぁ、そういうことか!」ともう少し自分の中で広がっていくものもあったんだけど。
もしかしたら私の場合、もう少し具体例があると助かるのかもしれない。言葉だけだと想像が広がりづらいのかなぁ……
【HEAD】頭:学びとインスピレーション
①(記事)現実、ってなんだろう?歴史書、サピエンス全史より「共同主観的現実」
これはけっこう渋い読み物だった(笑)一部抜粋してご紹介:
- 「客観的」な現象は、人間の意識や信念とは別個に存在する。
- 「主観的」なものは、単一の個人の意識や信念に依存して存在している。
- 「共同主観的」なものは、多くの個人の主観的意識を結ぶコミュニケーション・ネットワークの中に存在する。法律、貨幣、神々、国民など。 1人の人間がその存在を脅かすことはない。だからそれらを変えるためには、大人数の人の意識を変えないといけない。 そういった既存の想像上の秩序を変えるためには、まずそれに代わる想像上の秩序を信じないといけない。
→ アクティビズムも結局取り組まなければいけないのはこういうこと?
②(動画)デイブ・アイセイ 身近な人が持っている、世界が記憶すべき物語
大切な人の話に耳を傾けることを通してその人を称えることができる静かな場所を作りたいという思いから、デイヴ・アイセイは2003年にStoryCorps (ストーリー・コー、お話し聞こう隊) の最初のブースをニューヨークのグランドセントラル駅構内に作りました。それ以来StoryCorpsは広がり続け、人々の声を集めた記録として世界最大のものになりました。彼がTEDプライズにかける願いは、人類の知恵を集めたこのデジタルの記録をさらに大きくすることです。StoryCorpsを全世界に広めようという彼のビジョン、そしてStoryCorpsアプリでインタビューをすることで、その一翼を担う方法をお聞きください。
引用元:TEDの概要文より
この動画で出てくる「StoryCorps」とは、一般の人どうしによるインタビューを記録、保存しシェアしている非営利団体。
サークルが終わってから、別の私の活動でインタビューをしていく可能性が出てきて改めて見直したけど…… やっぱりこの動画とってもいいです♡
- 聴いた人が感動するのは、それらのストーリーがauthentic(本物)だから。
- people are basically good(人は本来善良だ)
↓↓↓最初に動画を見たあとのメモ↓↓↓
じっくり誰かの話を聞くこと。そこで得られる豊かさ、touchingなもの、共感や生きる喜びなど…… そこには人々に共通するものが確かにあるのだなと感じた。
NVC(non-violent communication/非暴力・共感コミュニケーション)を始めたおかげもあって、人の話を聞く、そして自分の話を聞いてもらう、という機会が増え、それが可能な人たちが周りに増えてきてとても嬉しいし豊かな時間が過ごせている。
と同時に、それができない相手と話しているときのなんとも言えない感じ(笑)
StoryCorpsのインタビューを私も身近な誰かにやってみたいと思ったけど、動画にもあったようにやはり勇気が必要だなと……
そもそも大切な人とこのような対話をすることに怖さを感じているってどういうことだろう?真実に触れるのが怖い、みたいな。
身近な大切な人ほど、何かが壊れてしまうのが怖くて核心部分を避けて対話していることがあるかも?と思った。
③(動画)チママンダ・アディーチェ シングルストーリーの危険性
我々の生活や文化は数々の話が重なり合って構成されています。作家のチママンダ・アディーチェは、どのように真の文化的声を探しだしたのかを語り、ある人間や国に対するたった一つの話を聴くだけでは、文化的な誤解を招く可能性があると指摘しています。
引用元:TEDの概要文より
以下はかなりざっくりだけど、見ながら取ったメモ:
- シングルストーリーは固定観念を作り出す。それは不完全なのに、ある話を「唯一の話」に変えてしまう。
- シングルストーリーは、人の尊厳を奪う。人間の平等の認識を困難にする。
- 「物語のバランス」
- ストーリーは人に力を与え、人間味を与えることもできる。
動画ではアメリカ人、アフリカの人、など比較的大きな括りでの話だったけど、個人個人でも日常的によく起こることだなと。 「この人はこういう人だ」と決めつけたり。
多様性が大事よね!と一言で片付けるのは簡単だけど、そもそも自分が知らない世界が存在することさえ知らなかったら無理よね。
だからさまざまな背景を持つ人と出会い、その生き方や価値観に触れることはとても意義があるし、自分自身の器を広げてもくれるんじゃないかな?
争いをなくすためには、誰かのストーリーを聴くこと、そして自分自身のストーリーを語ることが大切なのでは?
アメリカ帰りの帰国子女だった私は、この動画を見て自分の辛かった経験の記憶がよみがえったなぁ……
でも子ども時代に日本とアメリカという異なる文化の中で暮らせたおかげで、常に広い視野を持つことを忘れずにいられている気がします。
それに加え、子どもの頃から物語が好きで、小説や映画、そして特にハマったミュージカルや宝塚など、さまざまな世界に触れてきたのもよかったと思います♡
④(記事&動画)同情と共感の違い
この記事で紹介されている動画は、クマとキツネとシカが登場するアニメ。あるあるバイオレントコミュニケーション(AVCとも言う。私たちがやりがちな暴力的な会話)の一つ「同情 sympathy」の典型で、とってもわかりやすいなと思った。
落ち込んでいる人を励ますつもりで、“look on the bright side!” ってニュアンスのことを言いがちだけど……(動画では“at least…” と表現されている)
悲しみの真っ只中にいる人には全く届かないよなぁ。いかに目の前にいる人と本当の意味で「共にいる」ことがむずかしいか改めて考えさせられた。
※AVCはそもそも私が学んでいるNVC(共感コミュニケーション)界隈で言われている概念?なので、また何かの機会に紹介できれば!
【HANDS】手:実験してみる
①普段自分の意識にとまらない誰かの、話を聞いてみる時間をとってみよう
これは「物語」に取り組んでいた1週間のうちにはできなかったかも。意識に止まらない誰か、って誰だろう??スーパーの店員さんとか、通りすがりの人?
②誰との会話でもいいので、毎日なにかの会話をしっかりと「聴いて」みよう。聴いている間、自分の意識が別の場所へ行ったり、じぶんの持っている前提が、話を聴くのを難しくしたりすることがあるだろうか?
これは自分が時間のあるときではないと、そもそもむずかしいなと思った!「あ〜、もう行かなきゃいけないのに!」って心の中で思いながら人の話を聴けない(笑)
同じような話が繰り返し出てくると、気持ちが離れていって意識が別の場所に飛ぶなぁ。「これは私の貴重な時間なんだから!」って思いが出てくる。
……とここまで書いていて、私は「時間」に対しての強い思いがあるみたいだなと気づいた。
③3つ、自分が今手放しはじめている、社会から受け継いだ物語を見つけてみよう。その変化を促したのは何だっただろう?
1)「幸せ=結婚」「結婚したら一生添い遂げないといけない」。幸せな家族像。
幼少期から見ていたディズニーやドラマや映画の影響が強いのでは??と最近考えていたところ。特に子供の頃に触れた物語の数々は、シングルストーリーの動画の女性と同様、かなり偏った内容でどれも同じような起承転結のストーリーだったような。
「女性は理想の男性と出会い、結婚し、子供を産んで育てるのが幸せな人生」というベタな(笑)これは大人になってからも、社会全体に、人々の意識の中に浸透しているなと感じた。(最近でこそだいぶ変化してきた気はするけど)
私自身はもともとそんな人生を思い描いていたわけではなかったのに、たまたま結婚・出産を20代後半で経験し、見事にそのレールに自ら乗ってしまった。 5年前の離婚危機ではこの物語や思い込みが強すぎて、その先の人生のイメージも湧かず、怖くて手放せなかった。
今回決断できたのは(現在離婚に向けて別居中)、鎌倉に住むようになって多様な生き方をしている人たちに出会えたり、様々な本を読んだりして、今まで頭にあったのはまさにシングルストーリーに過ぎないということ。
他にも選択肢がある、ちがう道を選んでも幸せな生き方ができる、といったことが実感できたからかなと思った。
その他パッと思いついたベタな物語は
- いい大学に行って、有名な大手企業に就職するのが成功
- マイホームを持つことがステータス・幸せの象徴
上の1)が長くなったし、今手放し始めているものではなく以前手放したものだからここでは割愛!
【MORE】
私たちの社会では、様々な「富」や「負の遺産」を親や先祖から相続するストーリーと仕組みが存在する。ネイティブアメリカンの言い伝えの中に「大地は先祖からの授かりものではなく、未来の子供からの預かりものである」という言葉があるそう。
私たちの暮らし、地球環境、私たちの存在そのものが、「未来の子供からの預かりもの」だというレンズから今を見つめたとき、どんな景色が見える?どんな気持ちが湧き上がる?
今までこんな風に考えたことがなかったかも…… まだじっくり考えられていないので、また何か出てきたら追記します!
7月19日 zoom
参加者が集まっての3回目のzoom通話。
3〜4人のブレイクアウトルーム(スモールグループ)に分かれてのシェアタイムと、後半は全員のビッグルームでその日出された問いについて1人ずつ話していきました。
ブレイクアウトルーム
インドネシア在住の参加者がいて、彼女がその日していた「直感の遊び」の話からいろいろと広がっていきました!
- 直感よりも「協調性」が重んじられている日本
- 相手を許せない。自分も我慢しているから相手にも強要する
- 自殺者が少ない島の本「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」
- 自分も相手も許しあっている状態。言いたいことは言う。でもものすごく深いわけでもない関係性
ビッグルーム
- 常識ってあるの?→「無常識」。常に変わっている。
- パートナーシップや関係性は、余白のあるものに変化していくのかな?そばにいすぎると、遠慮や配慮がなくなり暴力的になりがち。
- 善と悪はグラデーション?一色ではない。白黒ではなくグレー?一括りにできない。
- 本人から聞かないと真実はわからない。でもその真実って何?
- 自分が見えているのは立方体の三面、つまり半分だけ。
- どういう話を自分は信じるのか?そもそもこれって何の意味があるの?
問い
- 今自分が手放しかけているストーリーは何?それによってもっと豊かな人生を生きられるのでは?と思っているのになぜそれが手放し切れていないのか。
- どういうストーリーを信じたい?でも踏み込み途中のものは?
私は、ちょうどこの週考えていた「見捨てられる(abandoned)の感覚」について簡単にシェアしました。
飲みに誘われて行ったらその人に放置されて(笑)それ自体はまぁ、やれやれ!くらいだったんだけど。
でも何か自分の中で残っている感覚があったから、そこで起きたこと・感じたことを考えながらノートに書いていて。そこからふと、中学時代にお昼の時間1人残された気分になったことを思い出したのです。
この話は長くなるからまた別の記事に委ねるとして、そこから海くんがシェアしてくれた話が下記のもの↓
海くんのシェア
addiction(依存)、トラウマ、発達心理学などが専門のバンクーバー在住の医師、ガボール・マテについて少し話してくれました。
最近の世の中は変な社会になっている。子どもたちを早く早く自立させようとする。例えば、泣いている赤ちゃんを放置して、自分でなんとかする術を覚えさせる。でも赤ちゃんの頃に抱かれて「自分は大丈夫」という安心感を得ることが、大人になってからの揺るぎない自分へとつながっていく。
3回目のギフトエコノミーサークルまとめ
3回目のテーマ「物語」は、個人的にはとっても深い…… 記事を書きながらいろいろとまた気づき、そのときのメモ以上にたくさん書いてしまいました!
最後に、3回目が終わったあとの感想です:
海くんが最後にシェアしてくれた、ガボール・マテの話。
赤ちゃんの頃に抱かれて「自分は大丈夫」という安心感を得ることが、大人になってからの揺るぎない自分へとつながっていく。
といった話を聞いて、どうも私は不安定だなー揺るぎない自分を持っていないなと改めて思った。そういう不安感はもう手放したいのに、それをいつまでも握りしめているのは何でだろう?
上にも書いた「見捨てられる」を始め、「取り残される」「孤独感」みたいなものがけっこう自分の中に実はあると、「物語」に取り組む週にポロポロと出てきて。
これまでのさまざまな体験を思い出し、まだちょっとチクチクします。「ザ メンタルモデル」も読んでみたい本。
どんどん自分の内側との対話になってきたギフトエコノミーサークル。後半戦の記事もどうぞお楽しみに!
追記:4回目のテーマは「いのちの流れ」です↓