【実践!アーバンパーマカルチャー2022③】豊かな暮らしのデザイン。何があるか観察して、未来のビジョンを描いてみよう!

原っぱでチェックイン

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自由大学主催、東京アーバンパーマカルチャー(TUP)のソーヤー海くん&ガーデナーの石田紀佳さんが教授を務める「実践!アーバンパーマカルチャー2022(11期)」が3月からスタート!

今年は<デザイン編>となって、より実践的な内容の11日間講座に。9期からスタッフとして参加している私は、このブログでちょくちょく講座の様子をご紹介しています。

  • 1回目:明治神宮でのフィールドワーク
  • 2回目:コンポストとパーマカルチャーの概論
  • 3回目:千葉県いすみ市の「パーマカルチャーと平和道場」ツアー

そしてこの記事では、4〜6回目(4〜6月)の講座レポをお届け!これまでのレポは下記をご覧ください。

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目次

第4回 4/24

屋上でチェックインとパーゴラづくり

屋上でチェックイン

4月。いすみの「パーマカルチャーと平和道場」1日ツアーに行った翌週、再び講座がありました!

まずは恒例のチェックイン。屋上で輪になり、じっくり時間をかけて一人一人の「今、感じていること」をシェア。

世間一般では「生産性のない活動」と言われてしまいそうだけど、私たちはこうしてまず自分自身とつながること。そして仲間と分かち合い、つながりを育む時間を何よりも大事にしている。

屋上の植物やコンポストの状況を確認して。

屋上には日を遮るものが何もないから、夏に向けてパーゴラづくり。4鉢置いて、3〜4人のチームを作って責任を持って管理してもらうことに。

それぞれの鉢に紫ササゲ、普通のササゲ、バタフライピーの種を植えた。上に枯れ葉を乗せているのは、土を乾燥させないため!

ポットラックランチ

教室に戻ってポットラックランチ!上の写真は、紀佳さんが作ってくれたたけのこのトマト煮について説明しているところ。近所に竹林があると、無限にたけのこが採れる時期(笑)

「美しい」「楽しい」「美味しい」「自分らしい」というパーマカルチャーの4原則が揃うのが、やっぱりポットラックの時間なのでは?

※日本のパーマカルチャー界を牽引する2人、フィル&カイルがシンプルにまとめた法則

マッピングとパーマカルチャーデザインの流れ

マッピングの発表

午後はまず “祝題”(学びのお誘い。義務になってほしくないのもあって“宿題”とは呼ばない)に出ていたマッピングの発表。

  • 水のシステム(どの川からどういう過程で来てる?流したらどこに行く?)
  • 好きな食べ物
  • 電気やエネルギー(原料の状態から、自分の家までやってくる過程)

これらの中で気になるものについて調べてみよう、という内容。発表の間に海くんから出てきた話の一部がこちら:

パーマカルチャーは、生活を自分たちの意識できる範囲内に取り戻そう!という動き。
(生活の周りでエネルギーなどをある程度作る、まかなう)
=創造者になるということ。消費者は受け身、企業が作ったものを選ぶしかない。

小規模でやると、問題も小規模。
大規模でやると、扱いきれないことが起きやすい。

東京に人が集まりやすい仕組みになっている。人が悪いわけではない。仕組みを変えられたら流れも変えられる。
(例:生ごみは捨てられないように、コンポストを各家庭に配る。市民菜園をみんなに与える)

ソーヤー海くんの講義

そして海くんからは、ベースマッピングについてのレクチャー。

自分の家や会社など、手を加えられる、扱いやすくてやりたい、デザインしたい場所で作ってみよう!ステップは大まかに下記の4つ。

  1. ベースマップ:変わらない建物、道路など。敷地の周りも多少含める。1年で変わらない要素が中心。現実にあるもの。寸法を取るのも大事。北がどこか矢印で書く(大抵は上)
  2. セクター分析:外から来るもの。太陽、風、人の動きなど
  3. 水の流れ
  4. マスタープラン:植生、ガーデンマップ。描けると人にも伝えやすい!

実際のマッピングの図を紹介しながら、わかりやすくデザインの方法を説明している海くんの記事をぜひ参考に:

greenz.jp
ソーヤー海直伝、豊かな暮らしをパーマカルチャーデザインで実現する方法(前編) この記事はgreenz peopleからのギフト(寄付)で届けられています。あなたもgreenz peopleになって、すてきな記事を誰かに届けてみませんか?
greenz.jp
ソーヤー海直伝、豊かな暮らしをパーマカルチャーデザインで実現する方法(後編) この記事はgreenz peopleからのギフト(寄付)で届けられています。あなたもgreenz peopleになって、すてきな記事を誰かに届けてみませんか?

この日の最後のほうで海くんが言った「自分が暮らしを、人生を変えられると信じてほしい」が心に響いたなぁ。

第5回 5/29

原っぱに寝転がってチェックイン

5月。まずはみんなで屋上に行って、植物の様子をチェック。日除け対策にビニールシート?を設置してみたけど、どうなるかな?

前回パーゴラ用にタネを植えた鉢からは、かぼちゃがスクスク成長中(笑)土の中に混入してたんだねー。さすが生命力が強い!

受講者の方が自宅から持参したみみずコンポストの土を鉢の表面に乗せて、養分を下にいかせる対策を。

私たちが講座で使わせてもらっている屋上の一角には小さな原っぱコーナーがあり、いろんな植物が元気に育ってました!

こういう場所が撤去されないようにするには、矢車菊とか、ブルーやピンクの花を植えておくのがポイントなんだよーと紀佳さん。

確かに草だけボーボー生えていると、ただの雑草だ!と草刈りされちゃいそうだもんね。

ちょうど前日に海くんが別の講座で「虫の目線になってみる」ワークをしたらしく、私たちもやってみたよ。子どもの頃みたいな感覚!

ふいに思い出したのが『Honey, I shrunk the kids』という映画で、博士の子どもたちが縮んでしまって植物の中を走り回るシーンが私の脳内に(笑)下に貼った映画の予告に登場します!

草花に囲まれて気持ちがいいから、そのまま虫の目線でチェックイン。気づけばゴロゴロくつろぎ始める人たちも🤣いい時間だったなぁ。

ビジョニングの重要性とパーマカルチャーフェスのアイディア出し

教室に戻って、この日のテーマ「ビジョニング」の話に。

パーマカルチャーデザインでは変化を起こす前にそこで何が起きているかを捉えるのが大事

コントロールできないこと、動きのある中で何をするか?
自分はどういう方向を望んでいるのかを観察して、ビジョンを描いて、そこに向かっていく。それを育てる。

本来はそこにあるものを生かす、自然エネルギーを使うのが前提の暮らしをしていた。でも、まっさらな土地にいろいろ持ち込んで建てていくようになったのが資本主義の原点。

何があるかをしっかり捉えて、学び直そう!

人が惹かれるビジョンが描けると、いろんな人が集まってくる。
ブランドのロゴが入ったTシャツを着るんじゃなくて虫や植物の服を着て、ファッションでそれを表現することもできる。
電車の中でパーマカルチャーの話をするとか!

といった話も。

いつも海くんがパーマカルチャーらしいTシャツを着ているんだけど、案外アップのわかりやすい写真が見つからず…… これは去年の自由大学講座より。電話しているシーンなのかな(笑)?

私も最近つくづくビジョンを描くことの大切さ(しかもそれを人にわかりやすく伝える!)を感じている。

千葉県鴨川市で「小さな地球」プロジェクトを立ち上げ、里山保全や都会と田舎をつなげる活動をしている林良樹さんにお会いしたときに実感したんだよなぁ。

何年も何年も、自分が作りたい世界のビジョンをひたすら描き、人に伝え続けているから、本当にそれが形になっている。

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ソーヤー海くん講義中

じゃあ9月の講座内で開催する予定のパーマカルチャーフェスはどうしようか?とみんなでアイディア出しの時間。講座で学んだことをどう外部の人に伝える?

実は東京、日本で「アーバンパーマカルチャー」をテーマに集まっている場所はこの自由大学しかないのだそう。だから都会でもパーマカルチャーができると知ってもらえるチャンス!

ポイントは、まず無責任にビジョニングしてみること!最初から狭く考えず、広げていくことが大事。

みんなから出たアイディアをシェアします。「??」と思うような項目もあるかな😆

  • 参加者を募って、長期的なフェスにしていく
  • 太陽光で調理
  • 動物もいたら面白そう!鳥やヤギ
  • 議員たちに来てもらう、国会議事堂の周りをミニツアー
  • 親子で自然を体験
  • オシャレなパーマカルチャー
  • タネや苗がもらえたり、フリマ、エクスチェンジ
  • キャンプ
  • 世界中継
  • 音楽や映像を流す
  • タネのシェアとマッピング
  • ウォークラリー
  • 柿渋ワークショップ
  • コーヒーを提供して、コーヒーカスをコンポストに入れて循環を体感
  • おしっこ持参、雨水持参
  • 街宣車でパーマカルチャーのアピール
  • サウナテント
  • 芸能人を呼ぶ

ベースマップの発表、でしリストづくり

毎回ワクワクするポットラックランチを挟んで、午後の部へ!

午後は学びのお誘い “祝題” のベースマップ発表の時間。データで作った人、紙に描いた人、といろいろ。自宅の庭やベランダが多かったかな?

天敵、近所のいやなおじさん(笑)、火事の可能性など、入ってほしくないもの(=ベクター分析)も描くのが大事なのだそう。

団欒中

そしてグループになってでしリストを作成。毎年講座でやっているワークで

  • 「で」=できること
  • 「し」=してほしいこと

の意。これをやることで、自分自身はもちろん、身の周りにある資源(資本)に気づくことができる。この場合は、一緒に学んでいるアーバンパーマカルチャー仲間!

人に助けてもらうこと、自分にできることを誰かに与えることで、とっても満たされて嬉しい気持ちになることってあるよね。

豊かさを感じられるものはお金だけじゃない。「9つの資本」はぜひ知ってほしい世界の新しい捉え方。

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第6回 6/26

ジャガイモの大収穫!これまでの講座の振り返りと雨水の講義

屋上の植物のチェック

6月、夏のような朝!さらに暑くなる前に、まずは屋上に行って植物の状態を確認。すると……

WOW!!ジャガイモがこんなにたくさん収穫できたよ!掘るとどんどん出てくる😆こういう大きい野菜だと、存在感があるからかなおさら嬉しく感じたのは私だけ?

朝のチェックイン

涼しい教室に戻り、好きな椅子やソファに座ってゆったりチェックイン。6月終わりですでにかなり暑く、海くんから世界での猛暑の話が出たのでメモをシェアしておきます!

調査によると、猛暑でイライラする人、暴力的になる人が増えるらしい。生態系全体に圧力やストレスがかかっている状態。この中でこれからの人生をどうナビゲートするか?長期的に見て社会、人生をどうしていくか。小さく始めて少しずつ広げて大きくしていこう。

レジリエンス(復元力)が大事。世界的に電気不足、水不足。そこでちがうオプションがあることを伝えられたら希望があるのでは?(=重要機能のバックアップ!)

そのあとは2人1組になり、ここまでの講座でどういう学びや収穫があったか、どういうことを終わりまでに学びたいか、などをインタビュー形式で話してもらう時間に。

  • 生き方をどうするという深い話ができてよかった
  • 防災の危機意識が持てるようになった
  • このひと月に一度のペースが、考える時間もあっていいなと思った

といったフィードバックがもらえました!

雨水の講義

この日の講義テーマは、タダで手に入る豊かな生命資本の一つ雨水。だけど、現代の暮らしではうまく活かせていなくてもったいないよね……

そもそも蛇口をひねればお水が出てくる便利な日本に住んでいると、雨水の活用なんて考えもしないかもしれない。でもゲリラ豪雨や水不足など、自然災害の懸念は年々増していて、対策の必要に迫られている。

そんな雨水利用を昔からやってきているのが、東京都墨田区。都市型洪水に悩まされ、昭和56年から雨水を貯めて活用し始めたのだとか。

街中には「路地尊」と言って、水やりや子どもたちの水遊びに使用できる井戸のような設備もあるそう。

東京新聞 TOKYO Web
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・どこから自分の水は来ているのか?全体性を捉えることが大事。
・水はまず溜める、そして煮沸するのが一番安全!
・パーマカルチャーの人は、家に池を作ったり、壺に水を溜めたりする。
・洗濯機から出る水は下水に流さずに活用できる!植物のほうに流れるようにするとか。
・私たちはトイレで一番多く水を使っちゃっている。
・まずは小さなバケツを外に出してみることから!そうすれば楽しいし、意識も変わるし、やがて大きなインパクトに。
・Portlandにはrain gardenができている。道路の横にくぼんだガーデンを作って下水への負担を減らしている。

など、海くんがいすみで作っている雨水タンクの話から、海外のマニアックな人たちの実例まで、さまざまな雨水を活かすアイディアが聞けました。

朝収穫したばかりのジャガイモも登場したポットラック(教室はキッチン付き!)。

これだけやっていると、それぞれの好みや持ってきてくれる食べ物の傾向がわかるようになってきて面白い😉

ビジョンの発表、屋上で作業と挿し木の話

午後はまずビジョンのプレゼンタイム。ベランダ、庭、小学校、職場など、それぞれの場所をどうしたいか描いてきて発表してもらいました。

ビジョンを描いてイメージ画におこすのは、人に伝えるときにもパワフル!こうして一人一人が夢や理想についてイキイキと話す姿を見ると、聞いている私たちもワクワクしてくる!

少し曇って気温も下がったので屋上へ。かぼちゃはさらに成長していたし、ササゲやバタフライピーも出てきていた。屋上で収穫できたものは自宅へ持ち帰り!

みみずコンポスト隊長の指導のもと、コンポストのメンテナンス。本当に頼もしい受講者がたくさん!

そしてここで海くんから挿し木の話。みんなにおすそ分けするため、いすみからいろいろな植物を持ってきてくれました。

挿し木をするなら、本当は梅雨時がいいのだそう。土に植えてみて1ヶ月くらいしても生きていたら、根がついているということ。

かなりいろんなものが挿木できるから、タネの交換みたいに、枝の交換もできるね!面白い光景かも😆

家に帰ったら枝を切って乾燥をなるべく防ぐのを忘れずに。私もこの日イチジクとミントの挿し木をもらって帰りました!

5月は青々としていて寝転がった原っぱが、すっかり枯れていた。みんなで歩きながら踏んで枯れ草を寝かせたよ。

最後は円になってパーマカルチャーフェスの話を。まず台風の心配もあることから、9月から10月に日程を変更することに。

とにかく自分たちが楽しむことを主軸に考えていこう!と、この日もいくつかアイディアを分かち合って講座は終了。

まとめ

受講者におすそ分けしてもらった多肉植物!

2022年の「実践!アーバンパーマカルチャー<デザイン編>」、あっという間に折り返しに入りました!

パーマカルチャーデザインの世界観や手法を学びつつ、屋上で実際に手を動かしてさまざまな植物を自分たちで育てていく。

そして次の講座までの1ヶ月間は、日常生活の中でそれぞれができることを実践したり、どう生きていきたいかに思いを馳せたり……

(屋上の植物たちが枯れないよう、定期的に水やりにも行ってくれています。ありがとう!)

そんな数ヶ月をともに過ごしてきて、いよいよ今年の講座の目玉であるパーマカルチャーフェスに向けて具体的に動き出し始めます。

果たして当日どうなるのか?ドキドキ・ワクワクだなぁ✨

最後にリンクです:

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この記事を書いた人

Romy | ロミーのアバター Romy | ロミー 〜Celebration of Life〜

横浜・NY育ち。鎌倉暮らし7年半を経て2023年末に家を手放し、移動生活をスタート。「いのちの祝福」をコンセプトに、地球一つ分のパーマカルチャー的な暮らしの実験と旅をしているモバイルボヘミアン。 4月から7月はスタッフとしてピースボートに乗船!
→ Romyのプロフィール詳細

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